【カラーモデル】自分好みの色を作る方法

PowerPointの図形やExcelのセルの塗りつぶしの色を決める時、元から用意されている色ではしっくりこないこともあると思います。少なくとも私は、Officeのテーマ10色+標準10色の中で選べないことが時々あります。

選択肢にない色は、RGBやCMYKなどといった「カラーモデル」を用いて細かく決めることができます。カラーモデルの特徴や組み合わせを理解して、自由に色を作れるようになってほしいと願っています。

【HSB】色は3つの属性でできている

色を表す「色相」と色のトーンを調整する「彩度」「明度」で無限に色を作れます。

色相でどんな色味にするかを決めてから、彩度や明度を調整すると理想の色を作りやすいです。順番に考え方を教えます。

H:色相(0〜360°)

色相は色味、つまり色そのものを言い、作る色の方向性を決めるものとなります。HSBの「H」にあたる部分で、「Hue」と呼ばれます。

色味は角度で決めます。0度が赤で、180度が青緑、360度一周して赤に戻ります。

おおよそになりますが、主な色は下記の角度あたりです。

0度
30度
60度
120度
210度
240度
270度

S:彩度(0〜100%)

彩度は色の鮮やかさをいいます。HSBの「S」にあたる部分で、「Saturation」と呼ばれます。彩度が高いほど鮮やかで色味の主張が強くなります。一方で、彩度が低くなるほど色はくすんでいきます。0%になると「無彩色」となり、どんな色味でも白やグレーに変わります。

B:明度(0〜100%)

明度は色の明るさをいいます。HSBの「B」にあたる部分で、「Brightness」と呼ばれます。明度が低くなるほどより黒が混ざり、0%になるとどんな色味も真っ黒になります。無彩色の場合、明度が上がるほどグレーが明るくなっていき、100%で白になります。

【CMYK】印刷には3色+αのインクが使われている

家や会社にあるプリンタのインク(トナー)を交換したことはありますか?全部で何色あったか思い出してみてください。

ほとんどの場合、プリンタのインクは4色です。シアン(Cyan:青っぽい色)、マゼンタ(Magenta:ピンクっぽい色)、イエロー(Yellow)、ブラック(後述)で構成されています。4色合わせて「CMYK」です。モノクロは黒一色で、カラーでは更にシアン、マゼンタ、イエローも加えて印刷するイメージですね。

印刷をする際はカラーモデルをCMYKに統一する必要があります。

シアン、マゼンタ、イエローは混ざるほど黒に近づくので、「減法混色」と呼ばれます。最終的には黒に近い濁ったグレーになります。完全な黒ではありませんが「リッチブラック」と呼ばれることもあります。

KはKey PlateのK

CMYKの「K」って黒なのは分かるけど、何のK?とほとんどの人は考えたかもしれません。「Kuro」や「BlacK」を連想しますが、何だか引っ掛かりますよね。

正しくは「Key Plate」のKです。

キープレートって何ぞや?

となるのも分かります。私もそうでした。

キープレートとは、簡単にいえば、イラストの輪郭や影、文字といった重要な部分を刷るのに使われる版のことです。その重要な部分には、ほとんど黒が使われます。CMYの3色では正確な黒を表現するのは不可能です。そこで、CMYでカラーを出しつつ黒を足すことで、明暗や輪郭をくっきり綺麗に表現できるようになりました。縁の下の力持ちとも言える版となったことから、キープレートと言われています。

CMYで調整、Kで明度を仕上げ

CMYKで色を作るなら、どのインクをどのくらい、どんな比率で混ぜるかをイメージする必要があります。

まずはC、M、Yの比率で色味や彩度、明度を調整します。各色の数値(0〜100%)の差が大きいほど彩度が高い傾向があり、差が無ければグレーのような色になります。C、M、Yの値が大きいほど暗い色になりますが、Kで最終的な明度を調整します。白黒やグレースケールとする場合は、C、M、Yは使わないのでそれぞれ0%にして、Kのみで黒さ(明度)を調整します。

【RGB】画面は3色に光っている

スマホやテレビ、パソコンの画面を1日何時間みているでしょうか。誰もが少なくとも1日に1回は何かしらの画面を目にしています。

解像度が高いと分かりづらいかもしれませんが、画面の1ピクセルがどんな色でできているかよーく見てください。

赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色が見えてきます。これが「RGB」です。

この3色の光が重なると更に明るくなり、最終的には白になるため、「加法混色」と呼ばれています。

Webデザインなどの画面に表示する目的の場合はRGBで色の調整を行います。

RGBで表示できる色は最大1677万色

RGBでは、各色256段階(0〜255)で表現されます。16進数(00〜FF)で表されることも多いです。256段階が3色あるので画面に表示できる色は最大で256×256×256=16,777,216通りになります。

RGBはCMYKと比べて表現できる色が広く、鮮やかな色が作れます。表現できる色の範囲を「色域」といい、規格も複数ありますが、カラーモデルの説明から外れるため詳細は割愛します。

3色同じ値になると完全な無彩色となります。しかし、RGBの状態で印刷すると完全なグレーやブラックではなくなる可能性があります。また、印刷時はCMYKで出力され、表現できる色の範囲が限られるため、他の色でもくすんでしまうことがあります。印刷する場合は、あらかじめCMYKに変換する必要があります

白って200色”以上”あんねん

バラエティ番組でとあるモデルが、出演者の白いタオルをこのような出だしで褒めました。

白って200色あんねん

これに出演者たちは心を打たれました。

本当に白は200色あるかというと、「白」を定義する範囲によって捉え方が変わります。「白」「ホワイト」が入る名前の色や白を連想させる名前の色がたくさんあり、そのRGB値、CMYK値も様々です。個人的には、実際に白は200色”以上“あるのかもしれないと思っています。

まとめ

色の作り方について解説しました。

カラーモデルの活用方法
  1. 【HSB】色味を決めてから彩度、明度を調整する。
  2. 【CMYK】印刷用。シアン、マゼンタ、イエローで色を決め、黒を加える。
  3. 【RGB】画面表示用。赤、緑、青をそれぞれ256段階で調整する。

カラーモデルを活用してオリジナルの色を作れればと思います。

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