正月飾りでよく見る”アレ”の意味と飾り方のポイント

装飾

クリスマスが終わると何事もなかったように一瞬にして年末年始の装いになります。一緒に過ごす相手が数日にして恋人から親族に変わる時期です。

その時によく見かける華やかな正月飾りですが、どんな意味が込められているか知っていますか?正しく理解して新年を迎えていただきたいところです。

正月飾りの意味と飾り方から処分方法まで簡潔に解説します。

そもそも正月の意味とは

日本では正月は一年の中で最も大切な時期になっています。なぜなら、新年に「年神様」を迎え入れて、その年の様々な幸せを祈るためです。

年神様がどんな幸福をもたらすかというと

  • 五穀豊穣
  • 無病息災
  • 子孫繁栄
  • 学業成就
  • 商売繁盛 など…

神社やお守りの数だけ種類があります。

それぞれ目的に応じて叶えたいことをお祈りしていることと思います。それを叶えてくれるかもしれない神様を呼んでお願いしているのです。

しめ飾り【境界線】

しめ飾りとは、玄関の上に飾られている藁(わら)の縄に華やかな縁起物が添えられた”アレ”のことです。

神社で見る藁だけのしめ縄と同じように、神様のテリトリーと我々現世の人間のテリトリーの境界線を示すものです。

しめ縄があると訪れた神様に対して神聖な場所のアピールができ、迎え入れることができます。また、境界線を作ることで、幸福をもたらす神様だけを入れて、厄災を追い出す領域が展開されます。

神様を迎える場所に飾る

しめ飾りは神域であることを示すためのものです。入口であることが分かるように飾ると親切かもしれません。神様がどんなものか実体は知りませんが、人の目線より高い所に飾りつけ、年神様が入口を通れるようにするのが一般的です。

飾る場所は、主に玄関ドアや神棚になります。地域によっては水回りに飾る所もあります。どこか一箇所だけでも神様専用の通用口を作ってあげれば大丈夫です。

焚き上げるか返納する

正月が終わったら神社に行ってお焚き上げして供養してもらいましょう。1月15日頃に「どんど焼き」と呼ばれる行事が行われることもありますが、役目を果たした正月飾りを神聖な方法で焼却処分していることは皆同じです。

近くでどんど焼きをしていなくても古札納所と呼ばれるスーパーのリサイクルボックスのようなものが用意されているので、そちらに返却することもできます。後日、神社の方がお焚き上げしてくれます。

自宅で処分する場合は塩で清めた後、紙で包んで燃えるゴミとして出すと良いです。

門松【お出迎え】

門松とは、家や施設の門の両脇に置いてある、松と3本の竹でできた”アレ”のことです。

しめ飾りを用いて設けられた神聖な場所へ神様を迎えるための目印となります。門松自体が比較的大きいため、遠目からでも分かるようになっています。

門松には縁起物として松竹梅が使われています。松は、葉が落ちることなく年中緑色でいることから長寿の意味が込められています。竹は、成長が早く、上に真っ直ぐ伸びることから生命力や強い志の象徴とされています。松や竹を引き立てる梅の花は、春の早い時期に咲くことから、出世や開運の意味が込められています。

玄関の外に一対置く

「門」松である通り、玄関先の門などに正面を向けて左右1セットで設置して飾りましょう。神域へ悪いものを通さないバリアの役目も担ってくれます。

12月13〜28日の間に飾りつけて、1月7日(関東)や15日(関西)の松の内が終わるタイミングで撤去することが多いです。

どんど焼きに持っていく

役目を果たした門松は、翌年に使い回さず処分してしまいましょう。1月15日頃に行われるどんど焼きに持って行ってお焚き上げしてもらうのが最も簡単です。近くでどんど焼きが行われていない場合は、神社で引き取ってもらうのでも良いです。

また、しめ飾り同様、塩で清めてから燃えるゴミで処分することもできます。分解できるならできるだけ分解し、門松単独でゴミ袋に入れて、ゴミ処理場でお焚き上げしてもらいましょう。

鏡餅【依り所】

鏡餅とは、丸い餅が大小2段で重なり、その上に柑橘がのった”アレ”のことです。

神様を迎え入れた時に、長く居座ってもらうための場所となる重要な役割を担います。

ちなみに上にのっている柑橘は「橙(だいだい)」です。みかんではありません。子孫が代々繁栄するように願いが込められています。橙だけに。

大小2つに重なった餅は、太陽と月(陰陽)を表しています。幸福と財産が掛け合わさること、円満に歳を重ねることの意味が込められています。

場所に応じた神様の居場所を提供する

鏡餅は床の間や神棚、人が多いリビングなどに飾られることが多いですが、基本的にはどこに飾っても構いません。いくら置いても大丈夫です。置いた場所に応じて様々な神様が宿ります。

鏡開きで健康や長寿を願う

およそ12月13〜28日の間に飾られ、1月11日頃には鏡開きが行われます。ガッチガチに固まった餅を木槌で叩き割り、開きます。包丁など刃物で切るのは縁起が悪いので避けるべきとされています。

年神様が滞在した餅をいただくことでその神様の力を授かり、新年の無病息災やこの先の長寿を祈ります。残念ながらカビが生えてしまい、神様から力を分けてくれないこともあります。その時はどんど焼きに持っていくなり塩を振って処分するなりして供養しましょう。

売れ残った鏡餅は狙い目

余談ですが、正月を過ぎても売れることなく、スーパーに取り残された鏡餅がたまにあります。1月3日の夕方あたりから割引シールが貼られ始めますが、店によってはそのシールに書かれた値引き率がエグいことになります。実家の近くのスーパーで手のひらサイズの鏡餅が30円になっていました。

餅を食べるだけの目的であれば、ぜひ売れ残った鏡餅を探してみてください。

まとめ

正月を代表する飾り「しめ飾り」「門松」「鏡餅」について解説しました。

正月に見る例の”アレ”
  • 正月は「年神様」を迎えて幸せを願うための時期
  • 【しめ飾り】年神様を安心して迎え入れるための境界
  • 【門松】年神様を迎えるための目印
  • 【鏡餅】年神様の滞在場所
  • 正月を終えたら翌年へ持ち越さずに処分する

賃貸などスペースが限られる方もいると思いますが、コンパクトなものもあるので、気分転換に飾ってみるのはいかがでしょうか。

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