PowerPointでデザインを考えるときに、フォント選びで悩んだことはないでしょうか?
しかし、見やすいプレゼン資料を作りたいのであれば、使うフォントは一択だと思っています。
新しくインストールする必要もフォントを選ぶ手間も要りません。なぜなら次に紹介するフォントは最初から入っているからです。
一択と言われたら薄々気づいているかもしれませんが、おすすめのフォントをはじめ、よく使われているフォントや選び方もあわせて解説します。
游ゴシック
個人的にはこれ一択です。
游書体は、字游工房から販売されている書体です。
その中でも游ゴシックは、Windows・Mac共に最初から使用することができます。
PowerPoint(2016以降)ではデフォルトのフォントとして設定されています。
長文でも読みやすいように、漢字と仮名の字面を小さめにし、文字間にゆとりを持たせた設計となっています。文字単体でも、文章としてもクセがなく、どのような場面でも扱いやすいです。
Windowsでは「游ゴシック」としてLight/Regular/Medium/Boldの4種類、Macでは「游ゴシック体」としてMedium/Boldの2種類が使えるようになっています。
PowerPointがあればどちらでも「游ゴシック」を使うことができます。
Windowsでは文字がかすれて見える
游ゴシックは総合点が高いフォントではありますが、Windowsで扱う際は注意点があります。
LightやRegularで表示する時に文字が細すぎてかすれてしまうことです。
Macは問題ないのですが、Windowsは文字のレンダリングが下手なため、細い文字にすると薄くなってしまいます。
そして、PowerPointではデフォルトとして何故か見出しにLight、本文にRegularが採用されています。プレゼン資料として見せる時にWindowsではかえって見づらくなってしまうので注意が必要です。
原則として太さはMedium、見出しや強調部分にはBoldを使うようにしましょう。
他によく使われているフォント
個人的には游ゴシックしか勝たんと思っていますが、他によく見かける標準搭載のフォントを紹介しておきます。
メイリオ
「迷ったら使え」と言わんばかりに最も無難なフォントです。WIndows Vista〜8.1でシステムフォントとして使われていた経緯があります。(8では仮名文字を狭めた「Meiryo UI」をメインに使用)
Windowsでは今もWebにてデフォルトで表示されるのはメイリオです。
視認性、互換性、汎用性の高さから、ありとあらゆる場面でこのフォントが使われました。
メイリオが非常に優秀であることは事実なのですが、使われすぎたが故にプレゼン資料で使うフォントとしては没個性化してしまいました。伝われば良いということで採用するのはアリですが、もっと魅力的でおしゃれなプレゼンに仕上げるのであれば、游ゴシックを使い、レベルアップさせましょう。
Windowsが10になってから「YuGothic UI」に変わったのは何故ですか?つまりそういうことです。
ヒラギノ角ゴシック
ヒラギノフォントはApple製品に使われている印象が強いですよね。実は游ゴシックを開発した字游工房がデザインに関わっています。販売はSCREENグラフィックソリューションズ(開発当時は大日本スクリーン製造)が行っています。ちなみに名前の由来は京都の地名「柊野」によります。
ヒラギノ角ゴシックは、画線同士で生まれる空間を広くとることで、文字が小さくてもつぶれにくく、しっかりと読めるような設計となっています。
太さはW0〜W9までと多彩ですが、大半はW3とW6が使われています。
しかし、Macのみ標準搭載ということもあり、Windowsで扱うにはハードルが高いです。
Windowsでヒラギノ角ゴシックを使えるようにするには、Macを所持するかサブスクリプションや購入で手に入れる必要があります。
Adobe Fontsにも収録されているため、Creative Cloudのサブスクユーザーであれば使用することができます。高いけど。
MS Pゴシック
かつてWindowsでよく使われていたフォントです。PowerPointを含むOfficeでも2013まではデフォルトとなっていました。「MS ゴシック」は全角と半角で幅が統一されていますが、「MS Pゴシック」は文字ごとに幅が異なります。
Boldは用意されていませんが、Officeなどにある「B」アイコンをクリックするとそれっぽい太さになります。
昔の画質の荒いディスプレイでも文字を判別できるように見やすく設計されているため、美しさは後回しとなっています。お堅い雰囲気全開で、文字のバランスがとられていないため、使うのは控えた方が良いです。
英文フォントとの組み合わせ
和文フォントだけでも十分見やすくすることはできますが、発展として英文フォントと組み合わせることでプレゼンの完成度をさらに上げることができます。ここではおすすめの組み合わせを軽く紹介しておきます。
ただし、登場する組み合わせはWindowsもしくはMacのみの標準搭載となるため、異なるOS間でやりとりする際はフォントを埋め込むなどしておきましょう。
游ゴシック+Segoe UI
当記事おすすめの游ゴシックとWindowsのシステムフォントとして使われているSegoe UIの組み合わせです。Windowsの日本語版では游ゴシックの文字幅を狭くしたものにSegoe UIが合わさった「YuGothic UI」がシステムフォントに用いられています。
システムフォントに採用されているだけあって、とても相性が良く、游ゴシックのみよりもスマートに見せられます。
MacにSegoe UIは標準搭載されていません。
ヒラギノ角ゴシック+Helvetica Neue
Mac限定の組み合わせです。かつてAppleのOSではこの組み合わせが用いられていました。
ただし、Mac版PowerPointでは何故かテーマのフォント(プレゼン全体で使用するフォント)を自由に組み合わせることができません。
ここでは方法を詳しく紹介しませんが、スライドマスターの全パーツのフォント設定を変更、かつ図形のテキストボックスの既定書式を変更する必要があります。
プレゼンテーションのフォント選び
プレゼンテーションはいかに早く内容を伝えられるかが重要です。そして資料の中身は図や表を除き文字でできています。
つまり、文字の見やすさが内容の伝わりやすさに直結しているのです。
ゴシック体を使用する
プレゼン資料ではゴシック体を使うのが原則です。なぜなら遠くから見てもスマホのような小さな画面で見ても文字がくっきり見えるからです。
明朝体は縦線が太く、横線が細い特徴があります。文章をじっくりと読むのに適しています。しかし、スクリーンに投影した際に文字がつぶれたり、細い横線が白飛びしたりしてしまうことがあります。
一方でゴシック体は線の端から端まで一定の太さとなっており、文字としての存在感が強く認識しやすいです。より一目で内容を伝えられることから、ゴシック体が推奨されています。
フォントを統一する
使うフォントを一つ決めたら、基本、最後まで同じフォントを使いましょう。資料全体としてスッキリしたものになります。
スライドで最も見せたいところ、強調する部分として他のフォントを使っても構いません。ただ、一枚のスライドで伝えたいことは一つに絞って、ごちゃごちゃにならないようにしてくださいね。
まとめ
プレゼン資料におけるフォント選びについて解説しました。
明日からプレゼン資料を作る人たちの助けになればと思います。